日本の水族館のアイドル!なぜフンボルトペンギンはこんなに増えたの?

水族館でペンギンといえば、ヨチヨチ歩きが愛らしい姿に誰もが癒されますよね。でも、日本の水族館で一番よく見かけるペンギンが何種類か知っていますか?実は、最も飼育数が多いのはフンボルトペンギンなんです。

絶滅危惧種なのに、なぜ日本の水族館でこんなに増えているの?

フンボルトペンギンは、南米のペルーやチリの沿岸部に生息しており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「危急種」に指定されている、絶滅の危機に瀕している生き物です。

それなのに、なぜ日本の水族館にはフンボルトペンギンがいっぱいいるのでしょうか?

全世界の個体数の約1割が日本にいる!?

フンボルトペンギンの全世界の個体数は、2021年のデータでは約1万8千羽から2万羽ほどと推定されています。一方、日本の水族館や動物園で飼育されているフンボルトペンギンの数は、2021年時点で1,800羽以上に上ります。

これは、全世界のフンボルトペンギンの個体数の約1割を日本が占めているという驚くべき数字です。

この背景には、日本の水族館の飼育技術の高さと、水族館同士が協力して種の保存に取り組んでいることが挙げられます。

日本の飼育技術がフンボルトペンギンを救った!

フンボルトペンギンは、日本の気候でも比較的飼育しやすいこと、そして何より繁殖に成功する水族館が増えたことが、飼育数を増やす大きな要因となりました。

水族館同士が協力して、飼育や繁殖に関する情報を共有する「血統登録」という取り組みも行われています。これにより、健全な個体を増やすことができ、日本の水族館全体でフンボルトペンギンの命をつなぐことに貢献しているのです。

フンボルトペンギンのヒミツを観察してみよう!

フンボルトペンギンを水族館で見る際は、ぜひその特徴に注目してみてください。

目の周りにはピンク色の模様があります。これは「露出部」と呼ばれ、血管が集中しているため体温を調節する役割を担っています。暑いとピンク色が濃くなるので、ぜひ観察してみてください。

また、胸には黒いラインが入っています。フンボルトペンギンとよく似たマゼランペンギンにも黒いラインがありますが、フンボルトペンギンは1本、マゼランペンギンは2本と違いがあるので、見比べてみるのも面白いですね。

あなたもフンボルトペンギン保護の担い手に!

フンボルトペンギンは、生息地では環境破壊や乱獲の影響で数を減らしています。日本の水族館でフンボルトペンギンがたくさん増えているのは、飼育員さんの努力と、その環境を支える私たちのおかげなのです。

水族館でフンボルトペンギンに会うときは、その可愛らしい姿に癒されながらも、彼らが絶滅危惧種であること、そして日本の水族館がその保護に貢献していることを思い出してください。

この記事を読んでフンボルトペンギンに会いたくなったあなたは、ぜひ最寄りの水族館を調べてみてくださいね。きっと、たくさんのフンボルトペンギンたちが待っているはずです。